部活はやるべきかどうか
受験が近づくにつれ、誰しも考え始める事だと思います。
場合によっては、学校に通っている本人よりも親御さんの方がこの事に敏感かもしれませんね。
僕が通っていた学校は、中堅どころの中高一貫校だったため、
「第1志望の中学に落ちたからこの学校に来た」という同級生がたくさんいました。
そして彼らは、「大学受験は絶対に成功してやる」と親子共々息巻いて、中学一年生から予備校に通うという生活を送っていました。
(実際彼らの大学受験結果がどうだったかと言うと、
半分くらいの人は無事東大に受かり、
また半分くらいの人は滑り止めとして受けた早慶に行ったり、どうしても東大が良いと言って浪人したりと様々でした)
ただ、中学生高校生だった僕の目から見ても、
「中1から部活もせず予備校に通う生活って楽しいのか?」
と言う疑問は消えることはありませんでした。
大学受験を終え、社会人になった今だからこそ、
「果たして部活をする意味はあるのか?」ということを冷静に振り返る事ができるのでは?と思ったので、今回はそこにフォーカスして書いてみようと思います。
- 部活をやらないメリット
・膨大な勉強時間を確保できる
偏差値を上げるには、効率のいい勉強をするのが第一ですが、
1日1分勉強するよりは、1日1時間勉強した方がもちろん偏差値は上がります。
部活をやらない選択をする事で、放課後部活にとられていたであろう3時間を、毎日の勉強に費やす事ができるようになるので、勉強時間は格段に増えます。
- 部活をやらないデメリット
・リフレッシュがしづらい
ずっと机に向かっているとどうしても集中力が切れて、ただ漫然と机に座っているだけという状態が生まれる事があります(ずっとペン回しをしてしまったり、家なら漫画を読みたくなったり)。
こうなってしまうと机に向かう意味はほとんどないですよね。
友達と遊べば良いのではという考えもありますが、そうなると受験のために部活をやらないという選択をした今もあまりありません。
- インプット過多になる。
部活をせず予備校に通うとなった場合、学校の授業と予備校の授業、二足のわらじを履く事になります。そうなるとどうなるか。
予習復習に手を回す時間がなってしまいます。
先生方がどんなに素晴らしい授業をしたところで、それは短期記憶になってしまうので、一週間もすればその内容は頭から抜けていってしまいます。全く身につかないという事になるのです。
次に部活をやる事について
- 部活をやるメリット
・体力がつく
部活(特に運動部なら)をやっていると、毎日身体を動かす事になるので、当然ながら体力がつきます。
テスト前、運動部の人たちが凄まじい一夜漬けをして良い成績をとるのを目にしたことはありませんか?
一夜漬けをしようとなった時、寝落ちせず、朝まで起き続けて勉強できるというのもある意味体力です。
受験は長いマラソンのようなものなので、途中でバテず、最後まで走り抜けられる体力のある人が良い結果を生み出せます。
・自信がつく
運動部でも文化部でも構いません。
夢中で何かに取り組んだという経験は、勉強でも絶対に役に立ちます。
例えば何かの大会で優勝したとなれば、自分は努力すれば結果を出せるんだという自信がつきます。
受験勉強でE判定ばかりもらうと、「自分なんかにはどうせ無理なんだ」とマイナス思考に陥ってしまう事がありますが、そんな時、「部活では、結果を出せた。だから勉強でも努力すれば結果が出せるはずだ!」と自分で立ち直る元気が湧いてくるのです。
もちろん部活で輝かしい結果を収めていなくても、
「あの時は途中で諦めて負けてしまった。あんな後悔は二度としたくない」という感情で受験に立ち向かう元気が出るということもあります。
・仲間ができる
苦楽を共にした仲間というのは貴重な存在です。自分が落ち込んだ時は励ましてもらえるし、仲間が良い成績を取ったら「負けてたまるか!」とモチベーションが急に高まったりします。これは1人で勉強していたら得られない経験です。
- 部活をやるデメリット
・時間が取られる
しょうがないのですが、時間は取られてしまいます。
でもだからこそ、効率の良い勉強を意識する人が増えるというのも事実です。
と色々書いてきましたが、言いたいことは1つです。
僕は部活はやった方がいい。
やるなら、夢中で打ち込め。
短期記憶と長期記憶
※前回の記憶法の記事の補足です。
人間の記憶には短期記憶と長期記憶というものがあります。
例えば一夜漬け。
テスト前、一晩で一気に記憶したものの、テストが終わって次の日には覚えた内容をすっかり忘れていたりしませんか?
これが短期記憶です。
一方で記憶に深く根付いているのが長期記憶です。
例えば、
・仲の良い友達の名前
・学校や会社までの歩く道
などは、忘れることはほとんどないですよね。
なぜ忘れないかといえば、なんども同じ情報が脳に触れるからなのです。
毎日会う友達、毎日歩く通学路…。
なんども触れる情報は、忘れては困ると脳が認識し、意図せず記憶してくれるようになるのです。
学校や塾で先生が「復習が大事だ」と言うのもこのためです。
1度の授業で得られた記憶は短期記憶になってしまいますが、
復習をすることで同じ情報に脳が2回触れることになり、記憶に残りやすくなるのです。
もちろん予習まですれば、同じ情報に脳が3回触れることになるので、より一層記憶に残りやすくなります。
ただ一方で長期記憶にも欠点はあります。
それは「記憶の定着に時間がかかる」ということです。
(”長期”記憶なので当たり前といえば当たり前ですが…笑)
なので、よりより効率的に記憶をしたいという場合には、
「一夜漬けのように、一気に短期記憶をする」×「次の日から毎日ゴロ寝記憶法で長期記憶として脳に記憶させる」
という合わせ技が良いと思います。
(と書いてはいるものの、短期記憶を一気にした次の日は疲れてだらけてしまったりして難しいんですがね…笑)
短期記憶と長期記憶の紹介でした。
勉強したくない人向けの記憶法【毎日ベッドでチラ見する記憶法】
英単語や歴史上の事件のような、何かを覚えようとするとき、みなさんはどのようにするでしょうか。
いろいろあると思います。
・紙に書く
・音読する
・リズムをつけて歌う
・一夜漬けの気合で乗り越える
etc.
ただこれらのことって、かなり手間じゃないでしょうか?
- 紙に書く
紙に書かなくてはいけません。
つまり、机に向かわなければいけないんです。
全くやる気がないときに、机に向かうことほど苦痛なことはありません。
- 音読する
記憶にかなり残る素晴らしい学習法だという声もたくさんあります。
自分もそう思います。
ただ1点、欠点があるんです。
それは、「とても時間がかかる」ということです。
英語長文やリスニングの学習の際、700wordsほどの文章でも、一度読んだら喉がからっからに乾いてしまいます。2度3度読むとなるとなおさらです(だからこそ脳に残りやすいのですが…)。
ただそれだけ苦労して音読した文章なども、新しい文章にどんどんと取り組んでいく過程で、1ヶ月もすれば頭からすっかり抜けて行ってしまいます。
そう考えるとあまり効率的ではないですよね。
- リズムをつけて歌う
これも音読と同じです。
時間がかかりますし、覚えたいものすべてにリズムをつけるというのがまず不可能に近いです。
- 一夜漬けの気合で乗り越える
ありと言えばありですが、凄まじいプレッシャーの中で戦うのは心身ともに疲れてしまいますよね…。
それに学校の定期試験などならまだ良いですが、
受験となると範囲も膨大なので、前日に一夜漬けでなんとかなるものでもありません。
となると、どのように覚えればいいのかという話になります。
そこでお勧めなのが、タイトルの通り、
【毎日ベッドでチラ見する記憶法】です。
具体的にどのような記憶法なのか。
簡単です。
毎日ベッドで「同じものをチラ見する」だけでいいんです。
もし英単語であれば、英単語と日本語訳をチラ見してください。
もっと具体的に説明しますね。
extraordinary-並外れた
coincident-同時に起こる
patriotic-愛国の
pessimistic-悲観的な
authentic-本物の
nuclear-核の
例えば英単語帳にこのような単語が載っていたとします。
いずれも大学受験レベルの形容詞です。
(他にももちろんたくさんの意味はあるのですが、ここでは記憶法という部分にのみフォーカスしたいので1語1訳としています)
そして、決して覚えようとせず、ただ英単語と日本語訳を、1単語につき1回ずつ、交互に頭の中で読んでいってください。
傍線部分が重要です。
決して覚えようとせず、ただ漫然と読んでください。書く必要もありません。ただ単語帳を開き、ベッドにごろんと寝転がりながら眺めるだけで大丈夫です。
(今自分でやってみましたが、6語なら英単語と日本語訳を1回ずつ交互に読んで、15秒もかからなかったです)
そしてこれを毎日1回続けます。
すると覚える気がなかったのに、不思議と脳に記憶されていることにいつしか気づきます。英単語を頭の中で読んだだけで、瞬時に日本語訳が頭から出てくるようになるのです。
さらに続けると、英単語を頭の中で読まずとも、見ただけで日本語訳が頭から出てくる状態になるのです。
(例えば、「dog」という単語、見ただけで「犬」という日本語訳が頭に浮かびますよね。どんな単語でもそのような状態になれるのです)
どういう仕組みで覚えられるのかということですが、
例えば、家から学校の最寄り駅まで電車通学する場合、知らず知らずのうちに停車駅を全部覚えてしまっていたりしませんか?
それと全く同じで、覚えようとしなくても、毎日同じ情報に触れるだけで、脳はそれを大事な情報と認識して覚えてくれるようになるのです。
そして、英単語帳を一冊丸々覚えようとする場合も全く同じです。
決して覚えようとせず、英単語と日本語訳を交互に頭の中で読み、最後のページまで読む。
途中中断してしまってもいいので、電車の中、学校の休憩時間、放課後など隙間隙間を使って、1日1週、英単語帳に目を通すようにしてください。そうすれば、2ヶ月もすれば頭の中に8、9割がた記憶されているという状態が生まれます。そしてこの覚えた単語は、ほとんどの場合一夜漬けのようにすぐ記憶から抜けるということはないのです。
(これは短期記憶と長期記憶による差なのですが、これについてはまた追って説明しますね)
自分もこの記憶法によって、1500単語を2ヶ月で覚えることができました。
苦しみながら覚えるより、毎日ゴロゴロ寝転がりながらチラ見する方が、
僕は絶対楽におぼられると思います。
ぜひやってみてください。
「偏差値30から80に上げる」
かなり大それた言葉をタイトルにしてしまいました。「無理だろ」と思われた方もいるかもしれません。
ただこれは何を隠そう、自分の大学受験生時代の成績のことなのです。
僕は神奈川県内のとある進学校に通っていました。しかし成績は常に学年で下から10番以内。しかも変なプライドから予備校にも通わずに自己流の勉強を続けていたため、高校2年生の夏の模試では偏差値30台を叩き出ししてしまいました。模試の結果はもちろん全てE判定です。
にも関わらず、なまじ進学校であったために、早稲田や慶応を滑り止めと言う同級生に感化され、「自分も受かるだろ」という能天気さでいたため、センター試験で見事爆死。浪人という進路(進路?笑笑)を選ぶことになりました。
ただこの経験の中で、何か勉強の本質のようなものに気づいたのです。「英文解釈教室」という参考書を書いた伊藤和夫先生の言葉をお借りすれば、「血肉化」です。噛み砕いて説明すれば「己の血肉に染み付くくらい、何度も反復せよ」ということです。そしてもっと、具体的に説明すれば、無意識にできるくらいに練習せよということになります。
スポーツなどでも経験したことがある方もいるのではないでしょうか。練習でできないことは本番の極度の緊張の中ではできません。受験勉強も同じです。英語であれ、数学であれ、社会であれ、国語であれ、日々取り組む問題が解けなければ、受験本番に同じ問題を解くことはできないのです。
その「血肉化」のための勉強を続けることによって僕は浪人して初めて受けた第一回K塾全統模試の英語で偏差値80を叩き出しました。全科目の総合偏差値も軽く70を超え、予備校のクラスで1位を取ることができました。そして一浪の末、一橋大学に合格しました。
受験勉強は全て「血肉化」です。
偏差値至上主義を唱えているわけではありません。また学歴至上主義を唱えたいわけでもありません。
ただ、どうしても行きたい大学(高校でも構いません)があり、そこでもし偏差値が障壁となっているなら、それは非常にもったいないことだと感じます。だからこそ、その障壁をぶち壊せるようなエッセンスを伝えたい、そうした思いでこのブログを作るに至りました。
※誤解を恐れずに言うと、偏差値30から80まで上げるのにかかった期間は、高校2年の夏〜一浪した時の春まで、つまり実質1年と9ヶ月かかったことになります。勉強法が手探りで非効率的だったと言うのもあると思いますが、少し時間がかかっています。なので現在高校3年生で、今すぐにでも偏差値を80にしたいという願いを叶えるのは難しいと考えています。
※ただ一方で、僕自身の経験に照らし合わせて言えば、高校3年生の6月に受けたK塾模試の偏差値が英数国歴平均して45〜50だったにも関わらず、夏休み明けのK塾模試の偏差値は英数共に70を超えることが出来ました。実質2ヶ月です。45→70はそう難しいことではないのです。
偏差値30を取り、勉強しろと言われてもその勉強の仕方がわからないという状況を経験してきた僕だからこそ語れることがあるのではないかと思っています。
「血肉化」するにはどういう勉強法をすればいいのか、また予備校に通うメリット、受験のために部活は辞めるべきかなど、できるだけわかりやすく、いろいろなことを伝えていければと思います。